言うか?言わないか?

どうもです。市川です。

夏の終わりになると、何年かに1度、
ふと思い出す事があります。

淡いなぁ・・・・。そんな記憶。

高校3年生の夏休み終盤。

友達と遊んだあと、家の近所の商店で
買い物をして帰ろうと思い、自転車でお店に着くと、
偶然、そこには中学の同級生(女子)がいました。

公衆電話で誰かと話をしていて、
(時代を感じますね。)
目にはうっすらと涙が浮かんでいる。

あれ?なんかマズイところに遭遇しちゃったかな?

そんな事を思いながらも、「 僕は何も見てないよ。」 という
気付いていないフリを全力でしながら、
お店に入り、買い物を済ませて店を出ると、
ちょうど同タイミングで、その娘の電話も終わっていました。

うっすら涙目だった瞳は号泣に変わっていました。

そんな彼女と数メートルの距離を保つこと 2秒。

中学の頃はけっこう仲の良い娘だったが、
高校に上がってからは、学校も違ったし、
言うほど接点があった訳でもない。

素通りしようと思えばいくらでも出来る。

ですが、私にはその状況をスルー出来ない、
決定的な要因が1つあったのです。

中学生の頃、
密かに 恋心 を抱いていた娘だったから。

雄としての本能か?ピュアな下心か?

立ち去るのはダメ!話しかけなさい!
立ち去るのはダメ!話しかけなさい!
立ち去るのはダメ!話しかけなさい!

脳が、繰り返し僕に信号を送るのです。

ですよね?これ、ある意味チャンスっすよね?

思春期全快の市川少年は、
脳からの信号を素直に受け、前に進もうとした時、

脳がもう1つ、僕に信号を送ってきました。

ファーストコンタクト超大事よ!
最初の一言で、ある程度 決まるよ!!

お任せください。僕も、中学卒業から約3年
それなりの経験積んでますよ。

頭の引き出しを幾つか開け閉めし、
(コンマ2秒)
平然と、至ってクールに、私は自分の選んだ言葉で、
ファーストコンタクトに臨みました。

「 フラれた? 別れた? どっち? 」

ヒックヒック していた彼女の動きが止まり、
何とも言えないピリついた空気感がそこには流れる。

あ~~~ぁ、もっと他にあったでしょうよ!!

この信号を最後に、脳は一切の発信を拒否りました。

「 フラれた!別れた!両方! 」

呆れた顔で彼女がそう言い放った時、
少年市川は、言葉のチョイスを誤った事に気付くのです。

その状況で、彼が彼女に向けて繰り出した、
苦し紛れの 二の手。

    パピコ食う?

真顔でね。もう至って真顔でね。
ついさっき買ったばかりのパピコの半分を差したところ、
彼女は震えた涙声で答えます。

「 ありがとう。食べる 」

食うんかい!(少年市川、心の声)
食うんかい!(信号送信を拒否したはずの脳)

パピコという夏の必須アイテムにその場を救われ、
どんな経緯で、何があって、夏の夕方前の暑い時間帯、
公衆電話で別れ話を繰り広げる、
絶望的な思春期の女子が誕生したのか?

私はその理由を知る事になります。

そこから先は、近くの公園へ移動し、
話を聞きながら、慰めながら、
時に、笑わせながら、笑いに逃げながら。
この夏、何をしたか?的な話をしたり、

進路どうするか?とか、
そんな話を、暗くなるまでしていました。

帰り際、

「 ありがとね。なんか良かったよ。
 市川がいてくれて。」

あん。まあ元気出せよ。

クールに返答する私に、最後に彼女が言った言葉。

「 私、中学の頃、市川の事好きだったんだよ.。」

じゃあね。の言葉と共に振り返り、歩き出す彼女を、
何も言えずにただ見送る少年がそこには居ました。

言ってよ~~ それ中学の時言ってよぉ~~
ちょっと勇気だしたら、その恋、確実に叶ってたよ~~

俺も俺で言えよ。中学の時言えよぉぉぉ。

ってか、今日のタイミングで、それ言うなよ。
せめて、もう何日か後だろ~~

さすがに、このタイミングで何かやっちゃう程、
俺、鉄の心臓もってないっすよぉ
空気読めちゃう思春期ボーイですよ。俺。

自転車を猛スピードで立ち漕ぎしながら、
家に着くまでそんな事を考えた。

まあ、淡い夏の思い出っすわ。

皆さんにも、こんな話の1つや2つ、
あるはずですよね?

さて、という訳で、
ようやく今日の本題に入りましょう。

言うか?言わないか?

実は、これだけで、結果が大きく変わる事もあるのです。

「 言う事 」

これは、ビジネス戦略の上でも、
けっこう重要な要素である事に間違いありません。

解り易い代表例を出すと、

「 ポテトも一緒にいかがですか? 」
「 セットの方がお得ですよ! 」

ファストフード店では、お馴染みの言葉。

売り手側がこの言葉を発する事で、
客単価を高める可能性がある一言です。

ファストフード店の場合は、
言う事に対してのリスクは極限に少なく、
言ったからといって、お客さんとの売買契約に
傷が入る可能性はゼロに近い訳です。

前回の内容で集客の話をしましたが、

朝、パン屋さんが一言、
「 また、明日もお待ちしておりますね。」

サロンの店長さんが一言、
「 次回の予約入れておきますか? 」

居酒屋の店員さんが一言
「 お飲みモノのおかわりいかがですか? 」

この一言で、
次回以後の売上に繋がる可能性が高くなります。

誰もがこういう一言を、聞いた経験があると思いますし、
あなたに向かってこの発言をした相手を
絞殺したくなるぐらい、嫌な思いをした経験・・・

まあ、普通ないですよね?(^_^;)。

全店舗に共通する事で、
「 お客さん紹介してください。お店宣伝してください。 」
( MAXニコやかに、爽やかに。)

こうやって、言う事で、

いや、言う ” だけ ” で、今までとは、
少し変わった結果になる可能性が高くなります。

部下に対して、

「 君にはこうなってもらいたいんだ。 」

その一言を言うだけで、
部下のハートに火をつける事が出来るかもしれません。

目上の人と飲んでいる席なんかで、

「 僕、将来こういう事やってみたいんですよね。」

この一言で、協力者になってくれるかもしれません。

言うか?言わないか?

この違いだけで、結果が大きく変わる事もあるのです。

もちろんね。

言う事で、無条件に相手が傷つく可能性があるような事は、
言うべきではないと思いますし、

失礼に値する可能性がある場合は、
空気とタイミングを読みながら を 意識する必要はありますよね。

言う事のリスクと、言わなかった場合のデメリットを
天秤にかける事で、答えは自然と導き出せるはずです。

「 言う事 」

実は、これを意識するだけで、
結果は大きく変わる可能性がある行為だったりします。

しかし、現代では言う事を躊躇する人達が多い事も事実です。
ちょっとの勇気で可能性を広げてくれる行為。

それが、 「 言う事 」 なんですね。

思春期の市川少年が、この事を知っていたら、
淡い夏の思い出も、出来なかった可能性の方が高いのです。

でも、私は言う事の大切さを、
起業後の経験で学習した訳でね。。。

ほんの少しだけ、今よりちょっとだけでいいから、
意識してみて欲しい。それが 「 言う事 」 です。

今回、前回の続きという事で、このテーマを書こうと、
前回の記事を書き終えた後に、決めていました。

本文を書き始めた時、言う言わないのフレーズで
急に夏の淡い思い出がよみがえり、

30代半ばのオッサンの淡い話を綴る事になりました。
(90%以上、実話です。)

途中、何度も書くのを止めようとしたり、
元々あったシナリオに切り替えようとしたりしましたが、

たまにはこんな気持ち悪い感じもありっしょ?
そう想い、いつもの3倍の時間を使って書き上げました。

最後までお付き合い頂いたあなたに言います。

長い話に付き合わせて ごめんなさい。m(__)m