ブームの曲線
どうもです。市川です。
先日、クライアントさんとミーティング中、
「ブームの曲線」というテーマで講義的な事を行いました。
画面を共有し、画像加工ソフトをホワイトボード代わりに使用し、図を書きながらの講義だったのですが、画像の出来が思いのほか良かったので、
よしネタにしてやれ(笑)
という事で今に至ります。
ビジネスとしては、そこそこ基本的な事になるのですが、知っておいて損はないですし、
ここを意識する事で、オペレーションの意図も明確になります。
知らなかった人は知って頂ければ何よりですし、
既に知っている人は、意識をするキッカケになれば何よりです。
何においても言える事、ある程度同じカタチの曲線を描く。
さて、ブームの曲線とは何ぞや?
という事から入りますが、
世の中の「流行り」を視覚化したモノと捉えてください。
※黒字のなだらかな曲線の部分がそれです。
必ず、最初は助走期間があり、
世の中にリリースしたものがいきなりブームになる事は、ほぼほぼあり得ません。
それが①のポイントで何かしらのキッカケがあり、②のポイントまで急上昇をします。
②から③のポイントはその傾斜が緩やかになり、
③のポイントを過ぎると緩やかに収束し、
ブームは終焉をむかえます。
・・・はい。ここまで大丈夫ですね?
では、次。
各ポイントで得られる収入の質が違う。
ビジネス目線でこの曲線を見た時、
どのポジションで参入するか?によって、
あなたの得られる収入の質も変わってきます。
①から②のポジションであなたが参入した場合、
「先行者利益」というモノが得られます。
傾斜が急ですので、どんどん売れますし、
あなたよりも後にその事実に気付く人が多い訳です。
従って、ブームの頂点に行くまでは、
多くの利益が得られます。
非常に夢のあるポジションですね。
②から③のポジションは、逆に傾斜が緩やかで、
「残存者利益」という表現をします。
皆がそれに気付き、多くの人が取り組む事で、
ブームも落ち着きをみせてくる訳です。
③のポイントが来てしまえば、商品の販売も徐々に減ってきます。
そして、自然とブームが過ぎ去って行く。
このポジションでは、ある程度の数字が計算出来てしまう為、そこまで夢のある話にはなりません。
ですが、1つだけ誤解して欲しくないのは、
「先行者利益を得ようぜ!」
なんて話をするつもりはない。という事。
先行者利益も残存者利益も善し悪しです。
どちらもメリットデメリットが存在します。
先行者利益:
①から②(青い四角の中)のメリット
- いうまでもなく、多くの利益が期待できる。
- ライバルも少ない。
- 先見の明がHITしている状態なので、感情的にも気持ちが良い。
「俺、天才じゃね?」 なんて思えてくる。
①から②(青い四角の中)のデメリット
- データが充実していないため、予測や先読みが必要になる。
- 予測が外れた場合は、収益ゼロ。
※経費を投入していた場合は赤字になる。
- いつ現れるか?わからないライバルの存在に怯える。
- 真似っこばかりをする人には向かない。
細かく分類すると、メリットもデメリットも、
もっと多く出てくると思います。
ですが、まあこんな感じ。
残存者利益:
②から③(ピンク色の四角の中)のメリット
- データが充実している為、参入し易い。
どのくらいの期間で、どの程度の個数が売れていて、仕入れにどの程度資本を使えば、どの程度の利益が得られる。
なんていう分析がし易い。
- 先輩が多く存在している為、モデリングという行為を意識するだけで結果が出る。
この人上手だなぁ・・・
なんて人をモデリングさせてもらうだけで、
そのカタチを自分のビジネスにフィードバックし易い。
- 地道にコツコツ型の収益が得られる。
- 振れ幅が大きくないので、精神的にも安定する。
- 先読みではないので、リスクが少ない。
あまり頭を使わなくて良い。
という事も言えますね。
②から③(ピンク色の四角の中)のデメリット
- 数字が計算出来てしまう為、夢は大きくない。
- ブームの終焉に怯えながらのオペレーションになる。
- ライバルが多く存在するため、差別化を図る必要も出てくる可能性がある。
繰り返しますが、
もう少し細かく書きだす事は可能です。
ですが、こんな感じでご理解頂けるでしょう。
という感じで、どちらも善し悪しはあります。
誰もやっていないが、流行るか?解らないモノに参入する勇気。
ブルーオーシャンなんて表現もしますが、
蒼く穏やかな海に最後まで独りぼっちの可能性もあります。
ライバルは存在するが、その中で上手に立ち回る知恵。
レッドオーシャンではあるが、
データも揃っているし、コツコツやれば、
こんな感じで生き残れるんじゃね?
そんな知恵と戦略があれば、ある程度、予想通りの収益が得られる。
という訳で、
一概にどちらが良い!とは、言えない訳です。
あなたの環境や将来的な目標に応じて、
決断をする必要もありますし、
今、あなたが取り組んでいるビジネスの特性を理解して、どちらを選択するべきか?という問題ですかね。
この曲線はビジネスに限った事ではない。
図を見てもらうと解るのですが、
手書きで追いかけたオレンジ色の曲線があるのが解ります。
これは、以下の説明をしながら、
私がフリーハンドで書いた曲線です。
だから歪んでます。(笑)
この曲線はビジネスに限った事ではなく、
色々なモノに適合する曲線です。
一番解り易いのが、インフルエンザかな。
①のポイントまでは潜伏の状態です。
ですが、とある条件を満たすとパンデミックを起こして、全国的にインフルエンザが流行します。
その後、ワクチン投与や季節的な事が影響して、
流行は収束し、なだらかに終焉をむかえる。
「全国的にインフルエンザが流行しています。」
冬になれば、そんなニュース見ますよね?
「流行」 = 「ブーム」 ですので、
この曲線に適合する訳です。
余談ですが、①のポイントで活躍する人を、
「インフルエンサー」と呼びます。
『ブームの火付け役』みたいな感じで捉えて間違いないのですが、
毎年来るインフルエンザの流行も、
誰かがインフルエンサーになっている事実があるのでしょうね。
社内で最初にインフルエンザにかかった人が、
その会社でのインフルエンサーになってしまう
可能性が高いよね。
手洗いうがいなどは皆で徹底しましょうね。
実は、あなたのビジネスの軌道もこの曲線に似通う。
この軌道は、あなたのビジネスの軌道にも似通ってきます。
①のポイントまでは助走期間。
色々と悩み、手を動かすが、なかなか結果に繋がらない。
このポイントで諦めてしまう人が一番多いんですけどね。(汗)
①のポイントで何かのキッカケが訪れます。
人かもしれないですし、手法(ノウハウ)かもしれません。
単純に助走期間にやった事が報われる事もあります。
そして、ある程度のところまでは、
一気に飛躍する。
ビジネスの場合①から②のポジションを、
どう過ごしたか?で、傾斜が変わってきます。
油断した場合は、山が小さくなりますし、
しっかりと必要な事をこなした場合は、
山が大きくなる訳です。
そして、
誰にも必ず②から③のポジションが訪れます。
もちろん③を過ぎる事も、誰にも訪れる現象です。
なだらかに下降線を描き、その際に講じた施策によって、再度、①のポイントを迎える訳です。
図にすると、こんな感じ。
(うん。急遽作ったので、キレイじゃないね。)
さて、まとめましょう。
- 何事においても言える事ですが、
ブームは同じような曲線を描く。
- ポジションによって、
得られる結果の質が変わる。
- 従って、どのポイントで参入するか?
それによって、オペレーションの内容も変わってくる。 - そのモデルが今どのポイントにあるのか?を
見極める能力は必要。
- そのモデルと自分のポジションの関係で、
予測・先読みをするべきか?
モデリングをするべきか?を決める。
- この曲線はビジネスに限った事ではない。
- 色々な事に適合するので、様々なモノに重ねてみて、自分なりに分析を繰り返す事で、
自分なりの結論が導けるようになる。
- この思考を繰り返し、経験した数が、
あなたのスキルになる。
繰り返す事で、自然と分析力も高まり、
先読みのチカラも身に付き、
クリエイティブな発想も出来るようになる。
- ピコ太郎?(うん。ちょっと古いね。)
- 35億?
- オーマイゴッドファザー降臨?
- 芸能人の炎上騒動?
- 役者さんの不倫騒動?
色々なモノがこの曲線に当てはまります。
この辺の話題が、今どのポジションにいるかな?
いつ頃、どんなカタチで終焉をむかえるかな?
なんて事を考えてみるのも1つの練習になりますよ。
すげぇ余談ですが・・・
まだ知り合っていない2人は①以前の状態。
①で2人は出会い、そこから急速に関係を深めていく。
②のポイントで、「あれ?なんか違うかな?」なんて思い始めて、それでも、
「別れる理由ないしなぁ」って感じで、
何となく付き合い続ける。
んで、③のポイントで、別れという決断を下す。
こんな話、心当たりありません?
しかもこの手の話の場合、③を過ぎた後は、
かなりの急斜面を滑り落ち、一気に終焉をむかえる。
そして、次の①(出逢い)を探す。
なんか残酷ですし、
全然ロマンチックじゃないけど、こんな事も、
この曲線で表現出来てしまう・・・